ブランディング会社の選び方

ブランディング会社<企業ブランド構築>おすすめ7選【2025年版】

2025年7月11日12分読み

ブランディング会社<企業ブランド構築>おすすめ7選【2025年版】

はじめに

採用の難化、顧客からの選別、事業の多角化や組織の拡張。成長フェーズにある企業ほど、自社の“らしさ”や“本質”を社内外にどう伝えるかという課題に直面します。製品力や営業力だけによる競争優位が成り立ちづらくなった今、企業の存在意義を軸に、組織と市場の両側面を整える「企業ブランド構築」が注目されています。

本レポート『ブランディング会社<企業ブランド構築系>おすすめ7選』では、その本質と中堅・成長企業における重要性を整理したうえで、戦略性と実行力を兼ね備えたブランディング会社7社を厳選してご紹介します。ブランドを経営の中核に据えたいと考える経営者・企画担当の皆さまにとって、信頼できるパートナー選びの一助となれば幸いです。

「企業ブランド構築」とは?

「企業ブランド構築」とは、企業の存在意義や価値観、目指す将来像を明確にし、それを社内外に一貫して伝え、根づかせていく取り組みです。とりわけ、理念やMVV、カルチャーといった本質的な要素を軸に、事業の方向性や組織のあり方、コミュニケーションの設計にまで踏み込むケースも少なくありません。

近年では、人的資本経営やサステナビリティ経営とも連動しながら中長期で企業の信頼や選ばれる理由を形づくる手段として、2010年代後半以降あらためて注目を集めています。

中堅・成長企業と大企業における「企業ブランド構築」 ―アプローチの“共通点”と“違い”―

「企業ブランド構築」の基本的な考え方や重要性は、企業規模にかかわらず共通しています。一方で、置かれた環境や組織構造の違いによって、実行にあたってのアプローチや課題の現れ方に違いが生じます。以下で、中堅・成長企業と大企業における企業ブランド構築の“共通点”と“違い”を整理したいと思います。

共通点:「経営とブランドの連動性」

企業ブランドは、企業の存在意義や方向性を明確にし、それを基盤として社内の行動や判断に一貫性をもたらすとともに、社外に対しても統一されたイメージやメッセージを伝える役割を果たします。中堅企業・大企業を問わず、理念やMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)、パーパスの戦略的な再策定は、事業を活性化するだけでなく、従業員エンゲージメントの向上や外部ステークホルダーとの信頼形成にも大きな影響を与えます。

違い1/3:「ブランド構築の動機とタイミング」

大企業では、事業統合やグループ再編、グローバル展開など企業構造の変化に対応するために、ブランドの再定義や整理が求められるケースが多く見られます。既存のブランド資産を活かしながら、全体の整合性と持続性をどう設計するかが課題となります。

その一方で中堅・成長企業では、「これからの拡大に備えた軸づくり」「事業承継や上場準備」「採用や社内一体感の課題」といったタイミングでブランドの見直しが行われます。つまり、未来の変化に耐えうる“伸びしろ”あるブランド設計が求められる点が大企業との大きな違いです。

違い2/3:「ブランド構築に求められる役割の違い」

大企業ではすでに確立された企業イメージやレピュテーションがあるため、ブランド構築ではそれらを再整理し、持続的に管理・強化していく役割を担うことが多くなります。

一方、中堅企業では、事業拡大や採用強化など具体的な経営課題の解決と直結する手段としてブランド構築を活用する傾向が強く、戦略推進の“てこ”として位置づけられるケースが多く見られます。

違い3/3:「組織に浸透させるアプローチの違い」

大企業では、部署や階層の多さから、ブランドらしさを組織に浸透させるには全社的なガバナンス設計や制度との連動が求められます。複数部門をまたいだ調整が不可欠となり、トップダウン型で段階的に展開していくアプローチが主流です。

一方で中堅企業は、経営層と現場との距離が近く、ブランドらしさの意味づけや体現を、現場の声を取り入れながら共創的に進めやすい土壌があります。この柔軟性により、経営と現場が一体となって浸透を加速させることが可能です。

このように、ブランド構築の基本思想は共通であっても、アプローチや実行上のポイントは企業フェーズによって異なります。その違いを理解した上で、自社の状況に応じた支援パートナーを選ぶことが、成功への第一歩となります。

企業ブランド構築に強いブランディング会社おすすめ7選

企業ブランド構築を本気で取り組む企業にとって、支援パートナーの選定は成否を分ける重要な判断となります。理念やMVVの再構築、ブランド戦略(ブランド運営の戦略的対応)、組織風土の変革支援などを多面的に支援できる外部の専門家は限られており、その力量とスタンスには大きな差があります。本章では、企業変革と並走できる視座と実績をもった7社を厳選し、強みと適合タイプを明示して紹介します。

「フォアビスタ」

フォアビスタフォアビスタ

フォアビスタ

経営視点でのブランド構築を得意とする戦略系ブランディング会社。多変量解析に基づく戦略策定やMVV・パーパスの言語化に加え、ロゴやWebといった表現と実装、その後の検証・改善提案まで一貫して対応。上場準備・組織力強化・事業再編といった成長フェーズにおける変革の局面で力を発揮する。

「リスキーブランド」

リスキーブランド

組織の存在意義や提供価値を再定義する「意味設計」を出発点に、ブランド理念やネーミング開発、ストーリー設計を一気通貫で支援。ビジネスモデルの転換や創業フェーズの本質的課題に対して、論理と思想を両立したブランド戦略で伴走する。

「Axhum(アクサム)」

Axhum(アクサム)

CI/VI設計の老舗「PAOS」の出身者が率いるブランドコンサルティング会社。理念・パーパスといった上流概念から、組織設計、ガイドライン策定、デザイン開発に至るまで、企業内部の構造と外部表現の接続を重視した支援を提供している。

「YRK and(旧・ヤラカス館)」

YRK and(旧・ヤラカス館)

創業130年を超える老舗ながら、近年はリブランディング・構造改革支援に注力。企業の「らしさ」を軸に、ブランド戦略と事業戦略を重ね合わせ、再成長の起点を共創するスタイルが特徴。地方企業の再生や中堅企業の変革を強力にサポート。

「博報堂コンサルティング」

博報堂コンサルティング

広告大手・博報堂グループの知見を背景に、調査・戦略・クリエイティブを一貫支援。マーケティング視点とブランド構築視点のハイブリッド型アプローチに定評があり、戦略立案からコンセプト開発、実行まで幅広く対応。

「インターブランドジャパン」

インターブランドジャパン

グローバルネットワークを持つブランド専門ファーム。グローバル共通のブランド価値評価手法を用い、企業の資産としてのブランドを可視化・数値化。経営戦略と直結したブランド構築支援に定評あり。特に上場・多国籍企業の支援実績が豊富。

「ランドー・アソシエイツ東京」

ランドー・アソシエイツ東京

世界最大級の広告・マーケティング・コミュニケーション企業WPPグループに属する。ロゴやVI、パッケージなどビジュアル表現に卓越したグローバルなクリエイティブ力が特徴。日本市場では、外資系や上場企業を中心に、ブランドの再定義からデザイン実装まで幅広く支援している。

ブランディング会社の選び方 —重視すべき3つの視点

企業ブランド構築を本気で進める際、重要なのは「社外に頼むこと」そのものではなく、「誰とどう進めるか」という進め方の質です。理念の再構築、社内への浸透、ビジュアルやメッセージの統一には、戦略と現場をつなぐ推進力が欠かせません。

ここでは、支援パートナーの選定において、重視すべき3つの視点を紹介します。

① 自社の規模・フェーズに合った実施体制かどうか

企業ブランド構築は、組織の規模やフェーズに応じた進め方が鍵となります。大企業には丁寧な合意形成と全体統制が、中堅・成長企業にはスピード感や現場を巻き込む柔軟性が求められます。重要なのは、自社の状況に即した実施体制を提供できるかどうかを見極めることです。

組織の変化に寄り添える“共創力”があるか

企業ブランドの再構築は、社内に少なからず変化をもたらします。理念やMVVを見直すだけでなく、それを全社で共有・実践していく過程では、組織文化や既存の業務プロセスとの衝突も避けられません。だからこそ、外部パートナーには、単なる指導ではなく、現場の声を聞きながら柔軟に伴走し、社内の納得感を醸成していく“共創力”が求められます。現場の動きと経営の意図、その両方に寄り添う支援が鍵となります。

“実装力”と“成果重視の姿勢”を備えているか

メッセージ開発、デザイン制作、Web、各種ツールの整備など、戦略を現実の施策に落とし込む実装力も重要です。さらに、「完成させて終わり」ではなく、指標や効果測定まで視野に入れてブランドを“使える状態”にすることが求められます。成果まで見据えた支援姿勢があるかを確認しましょう。

これらの視点は一例ですが、こうした違いを理解することで、「ブランディング会社 おすすめ」と検索して出てくる情報に振り回されず、自社に合うブランディング会社を選定しやすくなるでしょう。

まとめ

企業ブランド構築は経営の根幹を支える重要な取り組みであり、大企業にとってはブランド価値の維持・強化を図る手段であり、中堅・成長企業にとっては持続的成長を支える組織の軸となります。

本レポートで紹介した7社は、多様な課題に応じて理念策定から実行支援まで一貫したサポートを提供できるブランディング会社です。まずは自社の現状を整理し、最適なパートナーとともに具体的なブランドづくりを進めていきましょう。

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この記事・レポートについて

この記事・レポートは、20年以上にわたるブランディング実績と、ブランド戦略に関する最新事例の研究に基づいてフォアビスタ株式会社が執筆したものです。ブランディングにおける課題解決の糸口、戦略実行のヒント、実施施策のノウハウを提供しています。

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そのブランドに、次の一手を。経営視点のブランディングで、成長を加速させる会社です。そのブランドに、次の一手を。経営視点のブランディングで、成長を加速させる会社です。お問い合わせフォームお問い合わせフォーム