ブランディング会社の選び方
ブランディング会社の選び方【保存版】〜依頼先で失敗しないために〜
2025年7月9日9分読み


はじめに
ビジネス環境の変化が加速する中、自社の独自性や価値を明確に打ち出す「ブランド」の重要性が再認識されています。そうした背景から、外部の専門家であるブランディング会社に依頼する企業が増えています。しかし、数多くのブランディング会社の中から、自社に最適なパートナーを選ぶのは簡単なことではありません。
本レポートでは、ブランディングの専門家の視点から、ブランディング会社を選ぶ際に押さえておきたい比較ポイントと判断基準を、できるだけわかりやすく解説します。特に中堅・中小企業の経営者や担当者の皆さまにとって、具体的な行動につながるような内容を心がけています。
そもそも「ブランディング会社」とは何をしてくれるのか?
ブランディング会社は、企業のブランド価値を高めるために、戦略策定からデザイン、社内外への浸透支援までを幅広く担う専門企業です。「ブランドコンサルティング」や「ブランディング コンサル」と呼ばれることもあり、課題の特定から戦略構築、施策の実行まで一貫して対応する会社も少なくありません。具体的な支援フェーズは以下の3つに大別できます。
① 「戦略の策定」フェーズ
競合との違いや顧客にとっての独自性を明確にするブランド戦略を構築します。企業ブランディングの場合、企業の根幹にある理念やミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を整理し、ブランドの中核となる価値や提供意義を言語化します。
このフェーズでは、市場分析やキーパーソンインタビューなどのリサーチを伴うことも一般的です。組織内の合意形成も必要とされるため、経営層とのディスカッションを重ねながら進めることが多くなります。
② 「ブランドの表現」フェーズ
戦略で定義されたブランドの方向性に基づき、ブランドのネーミングやステートメントの開発、ロゴマークの開発、キービジュアルやトーン&マナーの設計を行います。
さらに、それらを事業内容に沿った制作物(たとえばWebサイト、会社案内、営業資料、パンフレットなど)として具現化します。ここでは単なるデザイン性だけでなく、ターゲットにどう伝わるか、企業らしさが反映されているかといった視点が重要になります。
③ 「運用、浸透/発信」フェーズ
経営理念やブランドの考え方を一過性の社内ムーブメントで終わらせず、日々の業務の中で実践されるものに変えていくプロセスです。
外部への発信だけでなく、社内にブランドの理解を深め、行動や意識の変化につなげていくための支援が行われます。たとえば、社員向けのワークショップや研修、インナーブランディングツールの制作、ブランドガイドライン(ブランドマニュアル)の策定などが含まれます。
依頼先を選ぶ前に整理すべき自社のこと
ブランディング会社を選ぶ前に、まず明確にしておきたいのが「なぜブランディングを行うのか」という目的です。例えば、以下のようなものが挙げられます。
- これまでの強みが通用しにくくなり、立ち位置を見直す必要がある
- 価格ではなく価値で選ばれる関係を、取引先と築き直したい
- 採用に苦戦しており、人材確保が年々難しくなっている
- 下請け的な立場から脱却し、自社ブランドで選ばれたい
- 社内の価値観や行動基準に一貫性を持たせ、組織の方向性をそろえたい
こうした目的によって、依頼すべきブランディング会社のタイプは異なってきますし、依頼先選定の基準も異なってきます。また、自社内のリソース状況(経営管理部門、マーケティング部門)の有無や経営陣の関与度合いによって、ブランディングの委託範囲や支援スタイルも変わってきます。
依頼先を検討する前に、自社の課題や目的、体制を整理しておくことが、適切なパートナー選び、そしてブランディング成功への確かな第一歩になります。


ブランディング会社にはどのような系統があるのか?
ブランディング会社とひと口で言っても、その強みや業務領域によってさまざまな系統に分類できます。ここでは、自社の目的や課題に応じて選びやすくなるよう、主な切り口別に5つの系統をご紹介します。
A. ブランディング会社|企業ブランド構系|
企業の存在意義・理念、MVVを軸に据えた中長期的なブランド構築を得意とするタイプです。経営とブランドを結びつけたい企業に適しています。
B. ブランディング会社|中堅・成長企業向け|
急成長中の企業や中堅企業に特化したサービスを展開しており、限られたリソースの中でも実効性のある施策提案が期待できます。柔軟性やスピード感が求められる企業に向いています。
C. ブランディング会社|インナーブランディング系|
従業員への理念浸透や組織文化の改革など、社内向けブランディングに特化したタイプです。社内変革やカルチャーづくりを重視したい企業におすすめです。
D. ブランディング会社|戦略系|
市場分析やポジショニング、ブランドアーキテクチャの設計、事業ブランド戦略など、戦略フェーズに特化したブランディング会社です。クリエイティブは別途依頼する必要がある場合もあります。
E. ブランディング会社|ワンストップ型|
戦略立案からデザイン制作、運用までを一貫して提供する会社です。社内のリソースが限られている企業や、統一感あるブランドづくりを目指す企業に適しています。
これらの系統は一例ですが、こうした違いを理解することで、「ブランディング会社 おすすめ」と検索して出てくる情報に振り回されず、自社に合うブランディング会社を選定しやすくなります。
比較のために役立つ「比較チェックリスト」ダウンロード
ブランディング会社の比較をスムーズに行うために、委託企業視点で整理された「比較チェックリスト」をご用意しました。比較・検討する際に注目したい7つの視点を確認しながら、複数社を比較することで、自社に合ったパートナー像が明確になります。

まとめ ──選定に成功すれば、ブランディング投資の効果を最大化できる
ブランディングは単なる見た目の刷新ではなく、企業の本質的な価値を明確にし、伝えるための経営投資です。成功させるためには、目的の整理からスタートし、自社に合ったブランディング会社を選ぶプロセスが不可欠です。本レポートで紹介した「7つの視点」を踏まえて、自社の課題→目的→相性の良い会社、という流れを丁寧に整理することで、成果に直結するパートナー選びが可能になります。
私たちフォアビスタでは、戦略設計から表現、運用まで、単独もしくは一貫して支援しています。もしご不安な点がある場合は、第三者視点を交えた「そもそも自社にブランディングが必要か?」というご相談もおすすめです。フォアビスタでは、そうした未確定段階〜初期段階のご相談から丁寧にお受けしています。
次の一手への第一歩として、まずはお問い合わせフォームから、お気軽にご連絡ください。
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この記事・レポートについて
この記事・レポートは、20年以上にわたるブランディング実績と、ブランド戦略に関する最新事例の研究に基づいてフォアビスタ株式会社が執筆したものです。ブランディングにおける課題解決の糸口、戦略実行のヒント、実施施策のノウハウを提供しています。
