求心力と競争力を高める
戦略プログラムの提案。
複数の駅ビルを展開するS-PAL(エスパル)は、二つの課題に直面していました。一つは、従業員の就業意識がバラバラであること。もう一つは、進出してくる東京の有名ファッションビルブランドへの対抗策を見い出せないことでした。
この課題を解決するため、エスパルは担当役員をプロジェクトオーナーとして主要部門長6名から成るプロジェクトチームを結成。ブランド戦略と具体的施策を外部のブランドコンサルティング会社である当社に依頼しました。当社は、徹底したブランド調査を基盤に、求心力と競争力を高める包括的な戦略プログラムを提案し、課題解決に取り組みました。
従業員意識の分断。
競争優位性の欠如。
東北エリアで複数の駅ビル(ファッションビル)を展開するS-PALは二つの課題を抱えていました。
一つは、カルチャーの異なる複数の駅ビルを吸収合併した結果、従業員の就業意識がバラバラであったこと。つまり組織としての一体感を欠いている状態でした。
もう一つは、東京の有名ファッションビルブランドが目と鼻の先に1年後に進出するという競争環境に直面していたこと。地方ファッションビルブランドとしての明確な競争優位性を確立できず、ブランドの方向性に不安を抱えていました。
ブランドのあるべき姿を
「S-PALの約束」として明文化。
S-PALと同じJR東日本グループ企業であるJR東日本企画を通じて依頼を受けた当社は、ブランドや市場のインサイトから関係各部署への大規模なインタビュー、そして東北在住の生活者1,000名を対象としたアンケート調査まで網羅的なブランド調査を実施します。
それらの結果をもとに、S-PALブランドの求心力(モチベーションやロイヤリティ)と競争力(販売力や集客力)を同時に高める戦略プログラムを提案。ブランドのマネジメント戦略とマーケティング戦略を「S-PALの約束」として明文化し、それを従業員に浸透させるために、ブランドブックや研修ビデオを活用したインナーブランディングを実施しました。この一連の取り組みにより、従業員の就業意識や業務活動を一つに束ねていきました。
ブランドの存在感の高まり。
そして新しいS-PALへ。
あるべき姿が明快になったエスパルは、その理解と浸透を通して5,000名の従業員が一丸となり、自分たちならではの強みを活かした業務活動を行っています。同時に駅ビルの施設数も当時の倍に増えるなど、S-PALブランドの存在感は大きく高まっています。
またプロジェクトから7年後。仙台駅のエスパルを大規模増床するタイミングで、それまで36年間変更されていなかったロゴマークが一新されることになります。
再度依頼を受けたフォアビスタは、「S-PALの約束」をもとに、将来的なマーケティング戦略とブランドポジションを設定。100点以上にも及ぶデザインスタディを展開した上で、新しいS-PALを象徴する新しいロゴマークを開発しました。
「S-PALの約束」を象徴する
ブランドクリエイション。
MVVの策定|MVV浸透ツールの制作
ロゴマーク開発
ロゴマーク(VI)ガイドライン制作